コラム

買った方がいい中古住宅と土地の特徴とは

人手不足や働き方改革などによる労務コストの上昇と、輸送コスト上昇、新型コロナウイルス、ウクライナ問題や円安の影響による資材コストの上昇により、 新築戸建ての建築費用は高騰し、中古住宅を検討する人が増えているようです。

今回は、購入した方がいい中古住宅と土地の特徴について詳しく解説します。

1.相場より安い物件について
立地条件や物件の築年数によって、不動産には適切な価格相場があります。中古物件を探す場合は、近隣で築年数や広さ、立地条件が似ているものを確認したり、不動産会社に相談して過去に取引された価格を相場は必ず把握しておきましょう。時々、相場よりも明らかに安い土地や中古戸建てが見つかることがあります。安いにもかかわらず、長く掲載されているようであれば、その物件は訳あり物件と考えてよいでしょう。しかし、売主に何らかの事情があり、相場より安い価格をつけてでもすぐに売りたいと考えていることがあります。
例えば、
・相続税の支払いができそうにないからと売却を急ぐ
・住宅ローンの返済が困難になって任意売却をする
というような場合です。

一般的に不動産売却には3〜6か月はかかるものです。しかし、事情がある場合は 1〜2ヶ月のうちに買主を探したいと考え、相場よりもく売り出すことがあります。条件の良い物件や人気のあるエリアでは、不動産会社が抑えてしまうこともありますが、そのような情報をいち早くキャッチできるよう、いろいろな不動産会社に依頼しておくことをおすすめします。

2.中古戸建は築20~25年ぐらいがねらい目
中古戸建ての価格は築15年目までは築年数によって大きく変わりませんが、築21年目以降に急に下落すると言われます。一般的な木造住宅の法定耐用年数は22年とされていますが、法定耐用年数とは住宅ローン審査で用いられる原価償却などの計算用のために定められたもので、物理的なものではありません。法定耐用年数を超えたからと言って暮らせなくなるわけではなく、日々のメンテナンス次第で劣化を防ぐことができ、これまで暮らしていた住人の心がけ次第で状態は変わってきます。トイレや洗面、浴室、キッチンなどの水回りは15〜20年でメンテナンスや交換を考えることが多いと言われますが、築20〜25年の中古物件を内見して状態がいいと感じられる場合は一度交換をしている可能性があります。築30年以上になると販売価格は大幅に割安になりますが、 外装、内装を含めリフォームの費用が高額になるので注意が必要です。

3. 購入をオススメする中古戸建てのポイント
中古戸建てを購入し、リフォーム費用が思ったよりかかってしまった、価格重視で選んでしまったと後悔する人も少なくありません。中古戸建てを検討する際は、一度の内見で即決せず、少なくとも1日は冷静に考える時間を持ちましょう。
① 売却の理由が分かっている
売主に売却理由を聞いておくのも良いでしょう。先述したような、経済的な理由の他に、転勤や親との同居が決まった等、様々な理由があるでしょう。中には、修繕や設備交換が必要になって住み替えを検討といった少々マイナスイメージの理由もあるかもしれません。それでも、 検討する際に売却理由がはっきりしていれば、不安が少ないとも言えます。
② メンテナンスの履歴が分かっている
売主がこれまでどのようなメンテナンスをしてきたか、リフォーム履歴はあるかなどがはっきりしている物件は強いです。例えば、
・定期的に外壁や屋根塗装を行っている
・水回り設備の修理、交換履歴がある
・壁紙やフローリングの張り替え履歴がある
などの部分です。
築20年以上の戸建てになると、様々な部分で劣化による不具合が生じ、修理やリフォームが必要になります。一度もリフォームをしていない場合、買主が購入後に全てを修理、 交換するというリスクもあるので、これらのメンテナンスがしっかり行われていれば安心です。また、購入後にメンテナンスを行う時期の目安にもなります。中古住宅は、一般的に現状有姿とされているので、買主がどれだけ細かい部分までチェックするかで事前の把握内容が変わります。外壁や屋根、水回り設備など、様々な設備の状態をよく見ながら、気になるところはどんどん 質問しましょう。売主や不動産会社の説明に納得できればOKです。
③ 性能基準を満たしている
耐震性能や断熱性能などの性能基準を満たしているかどうかは、内見しただけではわからないものです。建物においては、1981年6月から施行された新耐震基準が義務付けられ、2000年6月には木造住宅で大きな変更が加えられました。そのような耐震性能を満たしていれば安心です。
断熱性については、1980年代から現在までかなり性能が上がっています。現在の建物の断熱性能は1990年代に比べると約2倍、1980年より4倍から5倍になっています。断熱性能がある程度高く真冬でも寒くない戸建てを、と考えると、築10年程度がおすすめということになります。断熱性能が低い場合、最低限、熱の出入りに最も影響する窓のリフォームが必要になります。二重窓にするだけでも効果はあります。床や壁、天井に断熱材を入れる工事はかなり大掛かりになります。断熱性能は暮らし始めてからとても気になる部分です。可能であれば、断熱仕様が確認できる図面を見せてもらうと良いでしょう。
④ 周辺環境が良い
学校や病院、商業施設へのアクセスの利便性はもちろんですが、近隣の状況をよく見ておきましょう。隣に古い空き家があり、近隣に日常生活に悪影響を及ぼす事情があったりすると、どんなに良い物件でも長く暮らすマイホームとしては不向きかもしれません。内見する時間帯としては、夕方頃が良いです。立地条件によって、夕方になると日が強く差し込んだり、早々に日が当たらなくなったりする部屋があるかどうかがわかります。また、夜の状況も必ず一度は確認しておきましょう。
これらの条件を満たした中古戸建てが希望のエリアに見つかれば、購入を検討してもいいと思います。

4.土地の確認も重要
中古戸建てを購入する際には土地の確認が不十分になりがちです。既に家が建っているから大丈夫だろうと思ってしまいますが、地盤改良工事が不十分だったり、築年数が古いと地盤改良工事自体が行われていなかったりすることもあります。

自分でできる地盤調査の方法としては、
・新築時の地盤調査報告書を確認する
・近隣の地盤調査データを確認する
・建物の症状を確認する(床の傾き、基礎や外壁のひび割れの有無)
・近隣の外壁や外構を確認する
・雨の日、雨が降ったあとに確認する
また、土地が道路に対してどのように接しているかも要チェック事項です。車の大きさや交通量の多さなどによって、駐車する際の切り返しが難しくなることがないかなども確認しておくとよいでしょう。