初めてのマンション売却!注意する3つのポイント
住み替えや相続などでマンション売却が初めての方は、十分な知識がないままマンションを売却してしまうと相場よりも安く買い叩かれてしまう場合があります。
今回は、西宮市、芦屋市でマンション売却を検討している方に売却で損をしないために、マンション売却の仕組みやお金の流れ、売却時の注意点について解説していきます。
(1)マンション売却の仕組み
マンション売却で損をしないためには、マンション売却の仕組みとお金の流れを知っておく必要があります。まずマンションを売りたい人=売主は不動産会社に買い手を探してもらうために不動産会社Aと媒介契約を締結し、契約した不動産会社Aは売却活動を進めます。不動産会社はどのように買い手を見つけるのでしょうか?
不動産会社は「レインズ」という国土交通大臣の指定を受けた不動産流通機構の運営するコンピューターネットワークシステムに物件情報を登録します。不動産会社はレインズを使って全国の売出し物件を確認することができます。例えば不動産会社Bにマンションを購入したい人=買主が現れると、不動産会社Bはレインズを使って売出し中のマンションを検索し、買主に紹介します。買主が不動産会社Aの物件を気に入れば、不動産会社Bが不動産会社Aと条件交渉の末、取引が成立します。つまり原則どの不動産会社に仲介を依頼してもレインズで情報は共有されるので見つかる買い手は大きく変わりません。
(2)マンション売却時のお金の流れ
マンション売却が成立した売主は不動産会社Aに仲介手数料を支払います。先程の例では、不動産会社に媒介取引をサポートした売主あるいは買主、どちらか一方から受け取ります。しかし時には、不動産会社1社が売主及び買主両方をサポートして両者から仲介手数料を受け取ることもあります。これを業界用語で「両手仲介」と言います。この両手仲介はアメリカの多くの州では禁止されています。なぜなら、マンションを高く売りたい売主と安く買いたい買主の双方の代理人となることは、利益相反を生じやすいからです。裁判の時に弁護士は被害者と加害者どちらも弁護しないのと同じ構造です。例えば不動産会社が「マンションがなかなか売れないので値下げをしましょう」と言ってきたその裏で、買主に値下げ交渉をして欲しいと依頼されているかもしれません。両手仲介の場合、売り手最優先の交渉をしない力学が働くため、売りてが損をする可能性があります。不利益を受ける可能性があるものだという事を覚えておきましょう。
(3)マンション売却前にやってはいけない事
マンション売却の仕組みとお金の流れが分かったところで、マンション売却で損をしないためにやってはいけないことを3つ見ていきましょう。
①大手の不動産会社のみに問い合わせる
「とりあえず大手の不動産会社に頼めば安心だろう」と考えている人はちょっと待ってください。大手不動産会社には購入希望者が集まりやすいため、先ほどの両手仲介が起こりやすくなります。また、両手仲介を行うために囲い込みが行われる可能性があります。囲い込みとは、売却を依頼した不動産会社が他の不動産会社経由の購入希望者を意図的に取り次がないことを指します。
例えば他社から3,000万円で買いたい人を紹介されても、自社の顧客に2,800万円で購入したいという人がいれば、両手仲介をするために意図的に他社からの依頼を断ります。また、囲い込みを受けていると、売却の機会を逃し成約までに時間がかかる、そのために成約価格が下がるというデメリットがあります。
囲い込みを受けないために、マンションを売却する際は複数の不動産会社かつ中小の不動産会社も織り交ぜて話を聞き、信頼できる不動産会社にサポートを依頼することが重要です。また、不動産会社と媒介契約を締結する際は囲い込みをしないことを確認するのも良いでしょう。
②査定額で売却できると思い込む
実際にマンションを売りに出す前に不動産会社に査定を依頼することがほとんどかと思います。そこで提示された査定額通りにマンションが売れると考えていませんか?
査定額通りにマンションが売却できるとは限りません。そもそも不動産会社が提示する査定額は、近隣の成約事例から物件状況、担当者の経験を元に算出した「今これぐらいで売却できるだろうという価格」です。実際は売主との交渉やライバルとなる物件の売出状況によって最終的に売却できる価格が変わる可能性は大いにあります。査定額と売却価格が大きく乖離すると、マンションのローン残債の返済や今後の資金計画が狂ってしまう原因になります。
それではより正確な査定額を見抜くためにはどうしたらよいのでしょうか?
それはその査定額の根拠をチェックする事です。「過去に同様の物件を売却したことがある」、「当社で買い取るならこの価格である」といったようにその金額になる理由を明確に示してくれる不動産会社を探しましょう。
③同じマンションに売出し物件があるタイミングで売り出す
同じマンション内から別の部屋が売りに出ているタイミングで売り出すと、売却価格は相場より安くなってしまいがちです。マンションの売却価格は主に立地と築年数に左右されます。しかし、同じマンションとなるとこれらの条件は一緒です。つまりマンションを売るためにいかに別室より安く売るかという値引き合戦になりやすいのです。できる限り同じマンションから売りが出ているタイミングは避けましょう。売り出す前にマンション名をインターネットで検索して同じマンション内で売出し物件がないかどうか確認することをお勧めします。また、信頼できる不動産会社に相談すれば最適な売り出し時期を提案してもらえるので、複数の不動産会社に相談してみるとよいでしょう。
今回の重要なポイントは3つです。
①どの不動産会社に依頼してもアプローチできる買い手は変わらない。
これはレインズという機関を通して不動産会社同士が売り出し情報を把握できる仕組みがあるからです。大手不動産会社でないと買主が見つからないという事はありません。
②両手仲介・囲い込みには注意が必要。
購入希望者が集まりやすい大手程、両手仲介や囲い込みのリスクが高まるということも知っておきましょう。
③マンションを高く売却するには信頼できる不動産会社を見つけることが重要。
囲い込みを受けた、査定額と実際の売却価格が大きく異なったなどの不利益を被らないために、信頼できる不動産会社を見つけることが大切です。信頼できる不動産会社を探すには大手不動産会社だけでなく、中小企業を交えた複数の不動産会社から話を聞くことがおすすめです。