土地探しの基本を学ぶ
今回は、土地探しの方法をお伝えしていきたいと思います。
①陽当たり
まず、陽当たりのお話です。1つの例として、分譲地があったとします。地図を見ながらどの区画がいいのか探すことがあるかと思いますが、その際、地図の見方の基本を頭に入れておきましょう。
太陽の光は南から入ります。しかし西側道路または、東側道路に面した物件で建物が並んでいると、建物の1階は真っ暗になってしまいます。
この場合、建物と建物の間は5~6m開けなければ、建物に光が入りません。陽当たりの良い庭のある暮らしをしたい場合には約68坪程度必要になります。
ただ陽当たりが良ければいいという話ではありません。道路から丸見えにならないようにと昼間でもカーテンが下りていれば、日当たりの良い土地を購入してももったいないですよね。そのため、理想をいうと60坪程度はあった方がいいです。
また、全ての敷地が南側道路かといいますとそうではなく、その同じ数だけ北側道路も存在します。北側道路の場合は、「車を止める場所とメインとなる庭が別々の方角になる」ということが特徴になります。
上の絵のように、道路から手前が駐車場、その奥が庭になるということです。
5~6m程南側の家との間隔をあけようとすると、「敷地は南北に長いこと」、「それなりの敷地の大きさがあること」が有利になります。北側道路のメリットとしては、「売れ残りが多いため選びやすい」ということと、「単価も安く入手しやすい」という点です。また、北側道路の庭は車から丸見えになりにくいということもメリットです。そのため、方位・土地の形・大きさによって特徴が出てくると言うことを押さえておきましょう。
また、狭い敷地であれば、まずは「2階リビングに逃げる」という鉄板の手法を使いましょう。そうすれば陽当たりもよくなりますし、道路から見えるということもなくなります。
②建築条件付き土地
その次に知っていた方がいいことは、「建築条件付き土地」です。土地の所有者が建築会社の場合のみ、条件付きを設定していいということになっています。条件付きとは何かというと、要するに「指定されたハウスメーカーや工務店で家を建てるという条件で土地を購入する」というものです。この場合、基本的には、土地を購入してから3ヶ月以内に建物の工事請負契約するという条件で土地を購入します。主にハウスメーカーが土地を仕入れて条件付きで売却しているというケースがほとんどです。建築条件付き土地の唯一のデメリットは、建設業者を選ぶことが出来ないということです。
③仲介手数料
不動産会社の仲介で土地を購入する場合、その契約を仲介した不動産会社に成功報酬として「仲介手数料」を支払います。仲介手数料は宅地建物取引業法によりその上限額が定められています。
④土地探しの方法:スーモ、アットホームで探す
土地探しの具体的な方法として、スーモやアットホームなどのポータルサイトがあります。情報量が多く手軽に調べられるのがメリットです。エリアや価格、土地面積、駅徒歩など、さまざまな条件で絞り込むことができます。近年はそれぞれAIを活用し、検索履歴や閲覧履歴からユーザーにあったおすすめ物件を提案する機能等充実しています。
⑤土地の優先順位を決める
土地を探すにあたって何を基準にして選んだらいいか、どのような土地を希望しているのか、明確にしなければ探しようがありません。
何を優先するかは個々の事情によりますが、周辺環境(近隣トラブル・不快施設の有無)、通勤や通学、駅、スーパー、病院、実家、友人などが代表的な土地探しのファクターとして重要視されます。
⑥条件検索で絞り込む
気になる物件が出てきた時、物件の所在地が分かればインターネットで情報を様々な得ることが可能です。ストリートビューでは街並みを確認することができます。さらにグーグルアースではおおよその距離や面積を測定できるほか、立体的に敷地を確認することができ、屋根のかかり方や、周りに木が多い、などといった地形が確認できます。
⑦自然災害のリスクをハザードマップで調べる
各自治体は洪水、土砂災害、高潮、津波などの自然災害ごとの被害が予想される地域や避難所の位置を表示したハザードマップを作成しています。購入を検討してる土地のリスクの有無は確認する必要があります。液状化危険度マップは、液状化した履歴のある場所、また再び起こる可能性がある場所を示しています。国土地理院がインターネットに公開している土地条件図で地形を確認することも重要です。もともとどの様な土地だったのかが確認できます。地盤の良し悪しは地形の影響を受けます。今昔マップでは、古い地図と今の地図を対比しながら地形が確認できます。
⑧土地の相場を調べる
土地には色々な価格の表示方法があります。最も抑えておいた方が良い表示方法は、取引の目安である「公示価格」と実際に取引される「実勢価格」(時価)です。ネットで毎年公示価格が発表され、一覧で調べることができます。買おうとしている土地の一番近い地点での金額が目安になります。相場にはばらつきがありますが、1つの目安にはなります。なぜばらつきがあるかというのは、土地は不動産であり、1つの物件に対して比べようがないからです。土地にはそれぞれ個性があり、個性によって人気不人気が決まり、土地の値段に対する影響がでます。
⑨土地を判断する要素
個人的な経験に基づいたものですが、土地に与える要素がどの程度の影響があるのかをまとめました。
まず、敷地の道路付けは、東西の道路に比べて南側は当然高く、北側に比べて2割ほど高くなります。次に道路幅ですが、車が出入りしやすいかどうかは評価する基準として高くなっています。6m道路は非常に人気で往来も非常にしやすいです。基準が4m道路だとすると2割ほど高くても売れます。逆に、車がすれ違うのがやっとというような道路になると取引が減ります。なので、安い土地だとしても道路幅が極端に狭いところは見送った方が良いです。また、接道間口は当然角地の方が人気で、一面道路を基準としています。一方旗竿地は先述した道路幅と同じように車の侵入などの理由で2割ほど安くなるようなイメージです。また、高低差は道路と敷地が平坦なものを基準とすると少し小高い方が水はけがよく、洪水リスクも減る点では好ましいかと思いますが、逆に、自分の身の丈より高いようなところだと当然車の停め方の制限があったり、地震の際にブロックが崩れるなどの問題があるので購入する際は建築のプロと相談するべきです。形状に関しては正方形よりの長方形が一番使いやすく需要があります。凸凹した不整形地はその分安くなるので、お買い得になる可能性もあるかもしれません。また、新しい新規分譲地、商業エリアやショッピングモールから近い土地は人気化します。しかし、商業エリアに近すぎても交通渋滞や騒音などにより逆に不便になってしまうこともあります。また、隣接する建築物が日照に与える影響として、陽当たりが悪いところはやめておいたほうがいいです。
競売物件については、プロが行っているので見極めが難しかったり、融資を待ってず現金でないと購入できない等あまりおすすめできません。また、調整区域では家を建ててはいけないとなっていますが、調整区域の既存宅地についてはもともと人が住んでいた宅地に関しては建ててもいいということになっており、相場よりも安く取引されているケースもあるのでおすすめです。