資産価値の落ちないマンションの特徴
「持ち家が欲しい!でもなるべく損したくない!」という人向けに、資産価値の落ちないマンションの特徴について解説していきます。
まず前提として2点押さえておきたいことがあります。
・この10年は、マンションの方が戸建より有利だった
10年前にマンションを買った人の中には、10年間住んだ中古物件なのに「買った時より高く売れる」という人も少なくありません。
・資産価値と使用価値は別物
不動産の資産的な価値とは、他人にいくらで売れる・貸せるこということをいいます。一方、 自分にとっての使用価値とは、家族構成・ライフスタイルにマッチしているかどうかになります。この2つは全く別物になります。
このコラムでは、資産価値、「お金」という視点に絞って、マイホームとしてのマンション購入の際に失敗しない=資産価値の落ちないマンションを買うための話をしていきます。
資産価値の落ちないマンションの特徴は次の3つです。
①立地の良い「都心・駅近」のマンション
②50~70㎡のマンション
③築10~20年ぐらいのマンション
順番に解説していきます。
①立地について
これは、全国区でみると東京都心一択です。三大都市圏に入る大阪・名古屋の中心エリアでもギリギリOKです。理由は、日本は少子高齢化・人口減少国だからです。
現在の人口・将来の人口予測を見てみると、2025年現在は1.2億人、2060年予測は9,000万人割れ
となっています。
2015年の人口を100とすると、2045年で100を上回る人口を維持しているのは東京だけです。名古屋を有する愛知ですら92.2、横浜を有する神奈川でも91.1。東北の県は、なんと30%前後の人口が減る見込みとなっています。
不動産は「人がいてなんぼ」です。
また、都心エリアの中でも「駅徒歩5分」というのが立地選びの大前提になります。
こういったエリアの駅近物件には戸建は建ちません。大手のデベロッパーがマンションを建てるからというのが理由です。これが、ここ最近でマンションの資産価値が落ちなかった理由です。
このように資産価値を重視するのならば、狙うべきは「経済的に余裕のある層」が欲しがる駅近物件です。
②広さについて
おすすめの広さは、50~70㎡です。
理由は3つあります。
・守備範囲が広い
2人暮らしの共働き夫婦に貸せる・売れる
子供が独立した夫婦に売れる・貸せる
夫婦+子供1人の家庭に売れる・貸せる
お金持ちのシングルに売れる・貸せる
ひとり親家庭に貸せる・売れる
ということで、貸せる・売れる対象の多い広さがおすすめです。
・需給バランスが良い
シングル層をターゲットにした20~30㎡の1Kや1Rはすでに都心でも飽和状態です。一方、40~70 ㎡に住みたい人(需要)と、40~70㎡の賃貸物件(供給)を比べると、供給が足りていないというデータもあります。だから、資産価値が落ちにくいという訳です。
・住宅ローンの控除の対象になるのが50㎡以上である
住宅ローンというお得な節税が使えないマンションをあえて購入する理由が見つかりません。
以上を踏まえて、50~70㎡のコンパクトなマンションが比較的コスパがいいという結果になります。
③築年数について
基本的には築10~20年ぐらいの中古がおすすめです。マンションは一般的に最初の5年の値下がりが激しく、築20年を過ぎたあたりでかなり値下がりが緩やかになります。
築20年をピンポイントで狙うのもいいのですが、それなりに設備が古くなってきていて故障リスクや修繕の必要性も高まります。また、築浅(10年以内)の物件はそもそも流通量が少ないです。
以上のように、「値下がりリスク」「経年による修繕リスク」「実際の流通量」を考えても、築10~20年ぐらいのものが一番お勧めしやすいです。
3つの特徴以外の条件としては次のようなものがあります。
・パチンコ屋、工場、墓地、火葬場などが近くにない。
・国立大学や人気私立大学に通える距離である
・人気小中学校の学区内
・バルコニーが幹線道路や線路に面していない
・個性の強い、独特な変形した間取ではない
他にもありますが、先に挙げた3つの条件よりは妥協しても問題ありません。
全てに共通しているのは、「自分が欲しいもの」ではなく、「人が欲しいもの」にフォーカスしているということです。資産価値がいいマンションというのはつまり、ちょっとでも値が下がれば「買いたい!」という人がたくさんいるマンションです。どういうマンションなら、多くの人が欲しがるか、ということを考え抜くことが大切です。
ちなみに、今回紹介したマンションを探してみると、そんな物件がまったくないということに気づくと思います。それが、「資産価値が高い」ことの証拠です。価値のあるものはなかなか市場に出てきません。出てきたとしても、一瞬で売れてしまいます。