自宅を売っても住み続けられるリースバックは危険?後悔しないためのポイント
「住宅ローンの支払いが負担になってきた」、「老後に必要な資金が心許ない」、「医療費や事業資金などまとまった資金が必要になった」…等の経済的な事情から、自宅を売却後もリースという形で住み続けられる「リースバック」というサービスの活用が広まっています。
1.リースバックとは
リースバックとは、自分が所有・居住している住宅を売却し、売却後は買主と賃貸借契約を結ぶことで、そのまま住み続けることができる不動産取引の仕組みです。一般的に不動産は売却すると、その不動産に住み続けることはできませんが、リースバックの場合は売却資金としてまとまったお金を受け取り、売却後もそのまま住み続けることができます。しかし、結論から言うと、リースバックでの売却は通常の売却に比べると間違いなく損をします。リースバックを検討する場合は、その仕組みやメリット・デメリットを十分に理解する必要があります。
2.リースバックのメリット
リースバックのメリットは以下の6つです。
・売却による資金調達ができ、同じ家に住み続けられることができる
・リースバックする会社が直接買取するので早期に現金が入手できる
・売却で得た資金の使途が自由である
・売却を周囲に知られずに済む
・売却した家は将来買い戻すことも可能
・固定資産税、経年劣化による繕積費などのコストが削減できる
リースバックを利用すれば、今の家で生活を続けることができるので、自宅を売却したことが周囲に知られる心配はありません。また、毎月の賃料は必要ですが、固定資産税等の維持管理費を支払う必要がなくなります。短期間で資金調達できるので、ローンの早期完済も可能です。また、同じ住まいを購入したい場合には、将来的に買い戻すこともできます。
3.リースバックのデメリット
・市場価格よりも売却価格が安くなる
リースバックは買主にとってはすぐに売却できず、不動産相場や不動産自体の価格が下落するリスクを抱えることになる不動産買取であるため、一般的な不動産売却の相場よりも売却価格が安くなります。一般的に市場価格の60~70%が相場とされています。ただし、売却価格が安くなるほど家賃も下がる傾向にあるため、一概に安くなることがデメリットとは言い切れません。
・売却価格がローン残債を下回る場合は利用できない
リースバックの売却価格より住宅ローンの残債が多いと住宅ローンが完済できない為リースバックは利用できません。しかしならが、不足金額を他の方法で補填できればリースバックの利用は可能です。
・家賃を支払はなければならない
住み続ける為には所有者に家賃を支払はなければなりません。しかも、相場よりも安い価格で売却するにも関わらず、家賃が相場より高い傾向にあります。
・ずっと住み続けられるとは限らない
もしリースバックにおける賃貸借契約が定期借家契約の場合、契約の更新は認められず、契約期間が終了したら退去しなければならないので注意が必要です。
・買い戻し価格は売却価格よりも高額になる
リースバックは将来買い戻すことが可能ですが実は買い戻す時は売った額の1~3割増しになるので、買い戻したくても高くて買えないというケースが非常に多いです。
4.普通に売却した時との比較
一時的に自由に使用できるまとまった資金を必要としている人、今の家に住み続けたい人にはリースバックは向いています。
家に固執しない人は普通に売却する方がリースバックよりもいい条件で売却できます。仲介で売却する場合でも高く売ろうと欲張らなず相場の価格で売るのであれば早期売却を目指せます。売れない場合は値下げになりますが、それでもリースバックの売却価格まで下げることにはならないでしょう。
どうしても急ぎで現金化したいという場合は不動産会社に買取してもらうという方法もあります。リースバックの場合、経過する賃貸期間によって建物の価値が下落すること等を考慮する必要がある為、通常の買取価格よりも安くなる傾向にあります。引っ越すことに問題がなければ通常の業者買取で売却する方がお勧めです。
リースバック | 市場価格の60~70% |
一般の業者買取 | 市場価格の70~80% |
もしリースバックを利用するのであれば、リースバックでの買取り価格と普通の売却の価格を調べて価格の比較だけはしておくことをお勧めします。
4.本日のまとめ
・リースバックとは自宅を不動産会社に売って現金化し、売った後は不動産会社に家賃を払って自宅に住み続けることができるという仕組み
・自宅に住み続けながらまとまった現金が手に入ることがメリットですが、デメリットも多く、相場よりかなり安くでしか売れなかったり、家賃が相場より高かったり、立退きのリスクもあり、買い戻す場合は売値より高くなるなどの問題も多い。
リースバックで後悔しないために、複数のサービスを比較し、不動産の売買契約・賃貸借契約の内容を細かく確認し、賃料を払っていけるのかどうか、契約期間終了後はどうするか等についてシュミレーションすることをおすすめします。