住宅ローン審査で押さえておきたいポイントと対策
住宅ローンの審査を通すには3つの突破しなければならない壁があると言われます。
3つの壁とは
① 収入
② 収入と借入金額のバランス
③ 個人信用情報
審査基準① 収入の壁
収入に関する審査基準とは「安定した収入があり、ローンの返済が滞りなくできるかどうか」という点です。そして、安定性や継続性が審査の対象であるということは、一般の会社の正社員や公務員は経営者や個人事業主よりも有利といえます。ただし、継続性の観点から、会社員や公務員は勤続年数が問題となります。
審査基準② 収入と借入金額のバランス
銀行にとってはローン返済が遅滞なく行えるかどうかが重要なので、収入と借入金額のバランスは厳しくチェックが入ります。
審査基準③ 個人信用情報
クレジットカードなど現金ではない取引のことを「信用取引」といいます。これは期日にはきちんとお金を支払うという信用の上で成り立っています。この「個人の信用」は本来目に見えないものですが、客観的に見えるようにした情報を「個人信用情報」といいます。また、個人信用情報には以下のことが記載されています。
・年収 ・住宅 ・勤務先 ・ローンや公共料金の支払い状況
この3つの基準の中で、最も注意しなければならないのは③になります。
①の収入については比較的誰でも分かりやすいですし、②の収入と借入金額のバランスもそれぞれの銀行、金融機関によって基準は変わりますが、それまでの審査基準を参考sにすれば大体は審査を通過することができます。
しかし、③の個人信用情報で思いがけず審査に落ちてしまう方がいるのです。
以下がその例です。
・ローンやカードの支払いの滞納
カードの支払い滞納が61日以上あると、個人信用情報に書き込まれる可能性があります。そしてその情報が書き込まれるとローンの審査は通りません。対策としては、その情報の保有期間(最長5年)が過ぎるのを待つしかありません。
・消費者金融の借入
基本的に消費者金融からの借入は過去に返済遅れがなければ、ローンの審査に関係はないと言われています。実は消費者金融の借入は、現在・過去に関係なくすべて個人信用情報に記載されるのです。そして、金融機関によっては、現在消費者金融から借入があるだけでローン審査に落ちてしまうこともあります。
対策としては、消費者金融から借入のある場合はすべて一括完済しましょう。
また、キャッシング枠のあるカードを持っていたら、銀行へ事前に申告しておくか、事前審査前にカードを解約しておきましょう。
・税金や社会保険料の未払い
税金や社会保険料を支払っていない場合は審査に通りません。対策としてはまず、税金・社会保険料の未納分を納付することです。、そして納付後1年程経ってからローン審査の申し込みをしましょう。
基本的には、この3つの重要審査基準に気を付けておくべきですが、まだ乗り越えなければならない階段が残っています。
住宅ローンの審査は次の2段階制となっています。
・事前審査
・本審査
事前審査を通過しなければ本審査に進むことはできません。
事前審査に通らない理由の多くは先述した「個人信用情報」にマイナスポイントがある場合です。例えば、奥さんに内緒でカードローンや借金を受けていた。ついうっかりカードの支払いを度々遅れてしまった等です。
事前審査で落ちてしまった場合、金融機関に理由を尋ねても明確な回答は得られず、「総合的な判断の結果」と言われることがほとんどです。個人信用情報を自分で調べ、審査に引っかかったであろう点を改善してから再度申請する以外に方法はありません。
そこで注意点として、ひとつの金融機関で事前審査に落ちたからといって複数の金融機関に申請するのは絶対に止めましょう。申請記録は通常6か月間履歴として残ります。履歴には審査の結果は載りませんが、「審査に通りにくい何らかの理由があるのだろう」と判断して、独自の審査をしないで否決にしてしまうという例もあったようです。
事前審査でチェックされる項目は限定的ですが、本審査では各項目が厳密に審査されます。
まず、保証会社の審査が入ります。数千万円という借入をし、返済を続けられるのか、見極めなければいけないからです。必要書類として、課税証明書などの証明書の提出も加わります。勤続年数や職歴もポイントなので、現在の勤務先だけではなく、以前の勤務先についても情報を求められることもあります。物件の担保価値も審査され。ローン金額が変わる場合もあります。
しかし、本審査で落ちる確率は数%と低いといわれています。では、どういった理由で本審査に落ちるのでしょうか?実は本審査に本審査に落ちる人のうち、半数ほどは申告内容に不備があった場合ということです。審査基準に合わなかったため落ちるということはとても少ないのです。
では最後に、審査期間中にやってはいけないことをまとめました。
・新たに借入、ローンを組む
自動車ローンでも教育ローンでも、新たにローンを組んではいけません。また、クレジットカードなどの「リボ払い」もやめましょう。
・転職・退職する
マイホーム購入時に転職や独立を考えているなら、タイミングに十分に注意を払ってください。勤務先が変わるということは、再審査になり、そこで落ちる可能性が出てきます。
マイホームが欲しい、その夢をかなえるためにはほとんどの方が住宅ローンを利用することでしょう。その審査に通らなかったら、夢をあきらめるしかありません。住宅ローンの審査には十分な対策をたてて基本的な審査基準と対策を押さえておくことで審査通過の可能性が大きく上がります。
安定した返済計画を金融機関に示しつつ、自分の生活に合ったローンを選ぶことで、安心して夢のマイホームに近づくことができるはずです。