【マイホーム購入前に知っておきたい】建物の維持管理費という“もう一つの住宅ローン”
マイホームを購入する際、多くの方が住宅ローンの返済額を中心に資金計画を立てられます。
しかし、持ち家にはもう一つ忘れてはいけないコストがあります。それが「建物の維持管理費」です。
賃貸住宅と異なり、設備の故障や外壁塗装などの修繕費はすべて自己負担となります。これを想定せずにいると、15年後・20年後に突然まとまった出費が発生し、金利の高いリフォームローンを利用せざるを得ないケースもあります。
将来の安心のためには、購入時点から修繕費を織り込んだ資金計画を立てることが大切です。
■ 維持管理費は大きく3つに分けて考える
① 設備関連(専有部分)
一般的な交換目安は以下の通りです。
- 給湯器:約15年
- トイレ:約15年
- キッチン:約20年
- 浴室:約20年
- 洗面化粧台:約20年
延床30坪前後の一般的なファミリー向け住宅を想定した場合の参考費用は、
- キッチン交換:約70万円前後
- 浴室交換:約90万円前後
- 洗面台:約20万円前後
- 給湯器:約20万円前後
- トイレ:約20万円前後
※仕様やグレード、物価動向により変動します。
② 外回り(戸建ての場合)
温暖で湿気の影響を受けやすい地域では、外部メンテナンスの重要性が高まります。
- 外壁・屋根塗装:約15年ごと
(120万〜150万円前後) - 白アリ予防:5年ごとの施工推奨
(15万〜30万円前後)
防水や防蟻対策は、建物の寿命に直結する重要な工事です。
③ 内装
クロスや床の張り替えは30年前後で行うケースが多く、
費用は60万円前後が一つの目安です。
■ 戸建ての場合、どのくらい積み立てが必要?
これらを標準的な周期で実施した場合、
40年間で概算800万〜900万円程度が一つの想定ラインになります。
年間約20万〜22万円、
月々にすると約17,000円前後。
ただし、実際には設備を長く使われるご家庭も多く、工事のタイミングをまとめることで費用を抑えることも可能です。
現実的な目安としては、
月12,000〜15,000円程度を別で積み立てておくと安心です。
■ マンションの場合
分譲マンションでは毎月修繕積立金を支払っていますが、これは共用部分(外壁・屋上・エレベーター等)のための費用です。専有部分の設備交換は自己負担となります。
室内設備のみを想定すると、
40年間で約450万〜500万円前後
年間約11万〜12万円
月々約9,000〜10,000円程度
が目安です。
現実的には
月7,000〜8,000円程度の積立を目安にされると安心です。
■ 設備は必ずしも年数通りに交換するわけではない
築30〜40年の中古住宅を見ると、
すべての設備が耐用年数通りに交換されているわけではありません。
日頃の管理次第で、想定より長く使用できるケースも多くあります。
- 配管の詰まり防止
- こまめな換気
- 定期的な清掃
こうした小さな積み重ねが、将来の支出を抑えるポイントになります。
■ 中古住宅購入時のポイント
中古物件の場合は特に、
- 外壁塗装の時期
- 給湯器の製造年
- 水回り設備の使用年数
を確認することが重要です。
購入と同時にリフォームを行えば、住宅ローンと同条件で借入できるケースもあり、結果的に総支払額を抑えられる可能性があります。
■ まとめ
マイホームは「購入して終わり」ではなく、
長く住み続けるための計画が必要です。
住宅ローンに加えて、
毎月の修繕積立をもう一つの住宅ローンと考えること。
この視点を持つだけで、将来の家計の安定度は大きく変わります。
無理のない返済計画と、計画的な維持管理。
それが、安心して長く住み続けるための鍵になります。