コラム

不動産を売却する際に、「一般媒介契約」で失敗する人の特徴とは?

「一般媒介契約」は売主様にとって自由度が高く、自分で買主を見つけて、不動産会社を挟まずに個人間取引をすることも認められています。ですが、そのようなメリットばかりに着目する売主様はよく失敗しています。

不動産を売却する際、不動産会社と結ぶ「媒介契約」は3種類あります。今回の「一般媒介契約」では自分で買主を見つけることが出来たり、何社に販売活動を依頼しても良いため、一見有利に売却できそうな気がしますが、不動産という高額な取引ではそのメリット・デメリットについてよく考えていく必要があります。実際に失敗してしまった方の事例を見てみましょう。

Aさんは親から相続した一戸建てを売却するために一括査定を行い、査定額の高い3社と一般媒介契約を結びました。この時点では3社が販売活動を行ってくれれば短期間で売れるだろうと楽観視していたそうです。

しかし1ヶ月たっても2ヶ月経っても購入希望者は現れません。Aさんから問い合わせをしなければ不動産会社からの状況報告もありません。複数の不動産会社に依頼できる一般媒介契約は、多額の広告費をかけてまで本気で売却活動をしてくれる不動産会社は少ないのです。1社のみとの契約(専属専任媒介契約・専任媒介契約)であれば、契約が成立すれば仲介手数料が入ることが約束されています。しかし一般媒介契約では複数の会社が担当しているため、販売活動の最中に他の不動産会社が契約成立させてしまうかも可能性もあるのです。そうなるとそれまでかけてきた広告費や人件費がすべて無駄になってしまいます。不動産会社としては専任媒介契約を結んでいる物件のほうに力をいれるのは当然ですよね。

Aさんの物件は半年たっても買い手が見つからず、大幅に値下げをすることになりました。長く売れずに値下げをしているうちに物件に売れ残りのイメージがついて、ますます買い手が見つかりにくくなっていきました。結果、Aさんの物件は1年後に不動産会社での直接買取となり、当初の査定で提示された価格の6割程度になってしまったそうです。不動産に限った話ではありませんが「売れ残り」のイメージがつくと挽回するのは難しくなります。特に不動産の売却は初動を間違えてしまうと取り返しがつきません。

一般媒介契約を選択する場合はメリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。そのうえでご自身の状況が一般媒介契約での販売方法に適しているかどうかよく考えてください。

①複数の不動産会社と媒介契約が結べる

人気のエリアにある物件や立地条件の良い物件であれば複数社の不動産会社に仲介を依頼し、他に依頼している会社に情報を伝えて競争心をあおることもできます。

②自分で買主を見つけることができる

身内や知人、隣人など買い手に心当たりがあれば、自分で交渉して売買買取をすることもできます。但し仲介手数料はかからないが手間はかなり多くなり、トラブルになる可能性があるので素人同士の取引はおすすめできません。また住宅ローンを利用するのであれば、不動産会社による重要事項説明書が必要になるのでこの場合での個人間売買は難しいです。

③囲い込みのリスクが少ない

1社のみとの契約になると不動産会社が自社で買主を見つけて両手仲介にするために、他社が購入者を見つけてきてもうその情報を伝えたりして囲い込みをする可能性があります。一般媒介ではその可能性が低くなります。(中には一般媒介契約でも囲い込みを行う不動産業者もいるので注意が必要です。)

参考:悪徳業者の「一般媒介」での囲い込みとは

④周囲に知られずに売却できる

専任媒介契約ではレインズといって不動産会社が閲覧できる情報システムに物件を登録することが義務づけられています。レインズに登録すると物件情報がたくさんの不動産会社に広まります。周囲に内緒で売却活動をしたい場合はレインズに登録義務がない一般媒介契約が良いでしょう。

①積極的な売却活動をしてもらえない

一般媒介契約では販売活動の最中にほかの不動産会社が売買契約を成立させてしまうと利益がゼロなので、積極的に広告費をかけて時間を割いて…ということがあまり期待できません。これが一番大きなデメリットですね。

②定期的な状況報告が無い場合が多い

専任媒介契約では2週間に1度、専属専任媒介契約では1週間に1度、売主への報告が義務づけられていますが、一般媒介契約では報告の義務はなく、各不動産会社の善意におまかせになります。まったく状況報告の無い会社もあるので、売主自身が問い合わせなければ販売状況が何も分からない場合もあります。

【まとめ】

今回は少し厳しい表現になりましたが、例えば西宮市内でも駅から徒歩圏内の地域は不動産価格が上昇している一方、山の手でバス便の地域では10年前と比較すると不動産価格が下落しており、売主様の希望価格と現在相場に開きがあり価格設定が難しい場合もございます。

しかし不動産売却においては正しい「相場」と「販売方法」を間違わなければ成約確率は上がります。

大手不動産会社や地元の不動産会社かを問わず、その人が信頼のできる営業マンかどうかを見極めて、お客様自身にあった売却方法で売却活動を行ってもらうことをおすすめいたします。