コラム

古家は解体せずに売却売却!解体する前にお読みください。

親から相続した古家を売却したい、高齢になったので古家を売却して施設に入りたいなど、建物には価値がつかない「古家付き土地」として売却を希望する方に是非読んでもらいたいコラムです。

「古家は解体しないと売れません」と言われたら?

価値がつかない「古家」とはどのようなものなのか、実は明確な定義はありません。築20年で「古家」として扱われることもあれば、築40年でも「中古住宅」として売り出されることもあります。
要は購入する人がいるかどうかなのです。
不動産会社の担当者に「解体して更地にしないと売れませんね」と言われたとしても、本当に売れないわけでもありません。
急いで売りたい場合は更地にした方が有利かもしれませんが、更地にしたからといってすぐに売れるわけでもありません。急いでいるならなおさら「古家付き土地」として売り出してみましょう。その際、売買契約の条件には「引き渡しまでに解体する」と特記することで様々なリスクを回避できます。

不動産会社の中には、解体費用などを全て売主に負担させて、きれいな更地にした上で相場よりも安い価格で買い取ることを考えている業者もあります。
売主の目が届かないところで販売活動に力を入れているかどうかも分かりません。不動産売買についての知識がないと不動産会社のいいようにされてしまう可能性があります。

最寄駅に近く利便性の良い場所や人気エリアでなかなか売り物件が出ないような場所であれば、購入希望者が多いのでそのまま暮らせない建物が残っていたとしても更地にする必要はないと思います。角地や南道路に面した土地も同様です。

解体することで発生するデメリット

固定資産税を納付し続けることが負担だからすぐにでも売却したいという売主さんも多いです。
更地にすることで売却にかかる時間は短くなるかもしれませんが、更地にすると固定資産税が3~6倍にも跳ね上がります。

売却に時間がかかると、解体費用を支払った上に納付額が増えて、負担が大きくなるわけです。
しかし、古家が建っていれば固定資産税の軽減措置を受けられるので、売却に時間がかたとしても負担は少なくて済みます。

また、最近では築後40年以上の古民家を上手にリノベーションして暮らしている例も多々あります。それまで暮らしていた建物であれば、そのまま売り出してみた方がよいかもしれません。

再建築不可の物件

現在の建築基準法が施工される前に建てられた古家は解体してしまうと新しい家が建てられない場合があります。

現在、建物の敷地は「建築基準法の道路(幅員4m以上の道路)に2m以上接していなければならない」という接道義務の規定があります。

道路に2m以上接していたとしても、通路のどこかにたった1cmでも2mに満たない部分があると住宅を建てることができません。
再建築不可の物件であっても、安価で売りに出されている「古家付き土地」もあります。
更地にしてしまうと売却が難しくなり、固定資産税も上がるため古家付きのままにするケースがあります。
接道義務を満たしていないのであれば、隣家から不足分の土地を買い取ったり借り受けしたりできるか、セットバックで建築可能になるかなど、再建築が可能になる方法の有無を確認する必要があります。建築許可が下りれば資産価値が大きく上昇する土地になる可能性があります。

古家は解体しないほうが損しない場合が多い

このように、どのようなケースでも古家を解体して更地にするのにはリスクを伴うので安易に解体してはいけません。
木造一戸建ての解体費用は、現在1坪で4~6万円と言われています。30坪程度の家は約200万円かかります。
相場の価格で売り出したとしても解体費用分を差し引いて固定資産税が大幅にアップすることを考えれば、結果として古家付き土地で売却した方がよかったということになります。

古家が今にも崩れそうな程老朽化しているなら別ですが、価値がつかない建物でもリフォームやリノベーションをして暮らしたいという買い手がみつかるかもしれません。相談した不動産会社で「更地にしないと絶対に売れません」とか、「数カ月たって売れなかったら買い取ります」などと言われたら、その場で判断せず他の会社に相談してみてください。